リウマチ科
関節リウマチとは
関節リウマチは手指の第2関節、手の腫れ、疼痛など、主として手に出現することが多く、しかも左右対称に出現するというのが特徴です。ただ症状の発現する関節は手とは限らず、足趾、膝関節から発症する場合もあり、肩・肘・股関節・足関節と多関節に及ぶことが多くあります。関節に症状が出現するところから患者さんは整形外科を受診することが多かったようですが、現在では膠原病に代表されるような免疫異常による全身疾患であると考えられています。病因は今もって明らかではありませんが、関節滑膜の炎症、増殖に起因すると考えられています。
画期的な治療
20年以上前にわが国でも認可された免疫抑制剤(メソトレキサート)が治療薬として登場してから飛躍的に進歩しました。さらに画期的な薬物治療として、2003年にはじめて登場した生物学的製剤といわれる注射製剤があります。この薬剤は今までの抗リウマチ薬と異なり効果の発現が早いこと、投与された大多数の患者さんに効果があることが特徴で、現在では7種類の製剤が使用されています。これら製剤は免疫細胞の活性化を促す因子をブロックすることで細胞の活性化を抑えるものです。
この10年余の間における治療薬の進歩は今までのリウマチの治療を一変し、劇的な変化をもたらしました。今まで難病と恐れられていた病気が早期に診断され、治療を開始することで、関節リウマチの特徴である骨・関節破壊の進行を止めることで変形を防止し、さらに寛解を目指すことができるようになってきました。
リウマチ科の特徴
当科は長年関節リウマチの診療に携わってきた専門医が、早期に診断、適切な抗リウマチ薬を開始し、生物学的製剤も積極的に使用してまいります。
開院以来、16歳から80歳以上という幅広い年齢層の患者さん100名以上が1-2ヶ月に一度外来を受診されています。抗リウマチ薬で治療可能な方、効果発現の早い生物学的製剤を発症早期に導入する方、なかには症状が改善、薬剤を中止されている方もいらっしゃいます。治療の適否は採血、レントゲン、MRI、エコー等により評価、常に最適な治療を受けていただけるように心がけております。また変形を防止する意味からも薬剤によるコントロールとともに外来でのリハビリテーションも行っています。
手術の必要な患者さん、間質性肺炎、感染症、重篤な合併症が発症した際には速やかに対応できるように、都立墨東病院リウマチ膠原病科と協力体制を整えています。
- 抗リウマチ剤
- メソトレキサート、タクロリムス、レフルノミド、トファシチニブ、ブシラミン、サラゾスルファピリジン、イグラチモド、ミゾリビン、など
- 生物学的製剤
- インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、トシリズマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブペゴル、アバタセプト